静岡県では、温暖な気候と変化に富んだ自然環境を活かし、静岡ならではの農産物が生産されています。
この記事では、静岡県の農業の特徴をご紹介します。
目次
静岡県の農業の概要
静岡県の農産物のうち、とくに有名なのは茶、みかん、わさび。
また、温室メロン、イチゴの品質にも定評があります。
一方、ガーベラなどの花きの施設園芸も広く行なわれています。
畜産業も盛んで、銘柄牛や銘柄豚の開発、ブランド化が進められています。
数字でみる静岡県の農業
ここからは、静岡県の農業をデータで確認していきましょう。
静岡県の農地
耕地は傾斜地が多く変化に富んでおり、面積 66,400ha、県土に占める割合は8.5%で全国の耕地面積の1.5%。
気候は、年平均気温が15~16°Cと温暖で、平均降水量は 1,800~2,300mm前後です。
とくに冬期は日照時間が多く温暖であることなどから、多種多様な農作物の栽培が行われています。
静岡県の農業産出額
静岡県の農業産出額は、2,204億円。(平成27年)
全国で15位の生産額となっています。
農業産出額の内訳は以下のとおり。
- 野菜・・・28.9%
- 畜産・・・23.7%
- 茶・・・・13.9%
- 果実・・・13.8%
- 米・・・・8.3%
- 花き・・・8.0%
- その他・・3.4%
品目別にみていくと、みかんが254億円、茶(生葉)が197億円となっており、大きな割合を占めています。
静岡県の代表的な農産物
静岡県は変化に富む自然環境を活かして多種多様な農産物を生産しています。
ここでは、県の代表的な農産物をピックアップしてご紹介します。
茶
静雄家兼は、明治維新のころ、徳川藩士などによる牧之原台地の開墾により、日本一のお茶生産地となりました。
1883年には全国の14%足らずだった生産量が、現在では全国の約4割となり、全国第一位を誇ります。
県内には、牧之原・掛川・川根・天竜など、高品質のお茶の産地が20以上。
おもな種類:川根茶、掛川茶、天竜茶、本山茶
みかん
静岡県産みかんの収穫量は、全国で第3位。
また、温州みかん(いわゆる普通のみかん)に限っていえば、収穫量・出荷量ともに全国1位となっています。
温暖な気候で育ったみかんは甘さと酸味のバランスがよく、コクがあるのが特徴です。
おもな品種:青島みかん、寿太郎みかん
いちご
全国のいちごブランドのなかでも、味・香りともに際立っていると言われる静岡いちご。
独自品種の開発にも力を入れており、生産額は全国第6位となっています。
おもな品種:紅ほっぺ・章姫・きらぴ香
メロン
静岡県のマスクメロン(温室メロン)は、作付面積、収穫量ともに全国1位。
芳醇な香り、美しい網目など、品質の高さが評価されています。
マスクメロンとは温室で隔離ベッド栽培されたアールスフェボリットという品種のことで、静岡の高級ブランドメロン「クラウン」と「アローマ」が有名です。
おもな品種:クラウン、アローマ(いずれもマスクメロン(温室メロン))
わさび
静岡県は恵まれた気候のもとでわさびの生産が行われ、産出額全国1位となっています。
おもな産地は、伊豆半島、南アルプスに水源を持つ安倍川や大井川など、富士山の湧き水に恵まれた御殿場市や小山町です。
静岡県のわさびは、生で消費される高級品が多いほか、加工品でも「静岡のわさび漬け」として全国に知られています。
馬鈴薯
静岡県は馬鈴薯の生産が全国第6位となっています。
箱根西麓や三方原台地は、県内を代表する産地。
箱根西麓で作られる三島馬鈴薯はメークインで、美しい肌・濃厚でコクのある味と、しっとりホクホクの食感が特徴です。
浜松市の三方原台地を中心に作られる三方原馬鈴薯は男爵で、デンプン価が高く、甘みやホクホク感があるのが特徴です。
おもな品種:三島馬鈴薯(メークイン)、三方原馬鈴薯(男爵)
チンゲンサイ
静岡県は全国第2位のチンゲンサン産地で、全国シェアの23%を占めています。
その半分以上を生産している浜松市は、全国一の産地です。
まとめ
静岡県は、温暖な気候や変化に富んだ土地環境を活かし、高品質な作物を多く生産しています。
茶、みかんがよく取り上げられますが、その他にも際立った農作物が多いことに驚かされます。